木村カエラ/Scratch全曲レビュー
誰に向けるでもなく綴る。
- L.drunk
一聴するとジャングリーなパンク風。が、実際は(恐らく)ダウンピッキングで弾き倒しているであろうギターとベース、前のめりなリズムがスピード感と停滞感を同居させるドラム、おもちゃっぽい雰囲気を出すマリンバなど、各パーツが組み合わさるとあら不思議、高度な演奏力に裏打ちされた人力ドラムンベース。 - Magic Music
ライナスオブハリウッド作曲。やや重めなギターと変拍子気味なリズムがなんともとっつきにくい。ライブとかでみんな拍とれるんだろうか。 - Snowdome
前半のハイライトかつアルバム中一番の聴き所。ビークル見直した。PVの可愛らしさも相まって、デビュー以来の木村の最高傑作であることは疑いもない。歌詞については、大雑把にいうとデビュー直後は「世界対自分」という構図で内面を語る歌詞一辺倒だった木村が「YOU」で他者に語りかけ、その完成形としてこの曲や次の「ワニと小鳥」がある感じ。 - ワニと小鳥
後悔とすら呼べないほどに後ろ向きなテーマ。木村のエモーショナルな歌唱に反して、nirgilisによるトラックは特に印象に残らず。なんかの映画で、似たようなモチーフのがあったような気がする。 - dolphin
椎名林檎ないしCocco的な和製グランジ歌謡。日本海の荒波をバックに歌いそうな感じ(松村和子的な)。最後の転調はハッピーエンドっていう解釈でいいんだろうか。 - sweetie
farrahのJez作曲。前曲との対比でハッピーな雰囲気と思いきや、またもや後ろ向きソング。木村の歌唱がたまに持田香織っぽい瞬間がある。箸休め的な位置づけ。 - きりんタン
トライバルな四つ打ち。アイゴンがポップな曲書けないことが露呈。いや、書けるんだろうけど、日本人受けしないんだと思う。歌詞も迷走気味。この曲に限らず、ハイスタのひとのドラムはなんでこんなにダメなんだろう。何も考えてないんじゃないだろうか。 - Scratch
toeを全面に出したほぼインスト。ピアノのフレーズは木村が弾いたというのはどこかで言ってたが、ライブのオープニングでも実際に木村ピアノからスタートしたのはゾクっとした。本当はシーケンスだったとしても、とても美しい絵面だと思う。 - Swinging London
残念なまでのジェリーフィッシュパロディ。これだったらパフィーみたいにはなっからカバーにすればいいのに。木村はジェリーフィッシュ知ってるんだろうか。 - never land
隙間の多い平歌部分からシューゲイザーっぽいサビへの移行が美しい。コンパクトないい曲だと思う。 - TREE CLIMBERS
性急なリズムのポストパンクっぽい曲。録音がボヤっとしてて残念。どことなくワイヤーみたいな雰囲気(気のせい)。 - JOEY BOY
ピコピコしててややグラム風。ジグジグというかZOLAR X的な宇宙ロケンロール。でもコード進行はグッと来る。 - Ground Control
またしてもfarrahのJez作曲のチープでかわいらしいギタポ。シンプルな構成と英詩によるいい意味で薄味な曲。アルバムラストらしいやり逃げナンバーで、最後にこれをもってきたのは大正解だと思う。
長い割に大したこと書いてないな。しかもあんまり褒めてない。でも良いアルバムだと思う。あと、「Snowdomeの歌い出しが渚のバルコニーのパクリ」とかバカじゃねえの。
- アーティスト: 木村カエラ
- 出版社/メーカー: Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)
- 発売日: 2007/02/07
- メディア: CD
- クリック: 77回
- この商品を含むブログ (148件) を見る